カーリン・サーフ・ドゥ・ドゥゼールとシャネル|CHANELツイードジャケットを自由に着るスタイル

シャネルのツイードジャケットに色落ちしたデニム

そこへスニーカーとゴールドのコスチュームジュエリーを重ねても、なぜか品よく、楽しそうに見える――

そんなラグジュアリーと日常着のミックスを、ひとつのスタイルとして確立した人物が、フランス出身のファッションエディター、カーリン・サーフ・ドゥ・ドゥゼール(Carlyne Cerf de Dudzeele)です

カール・ラガーフェルドとともに1990年代のCHANELを内側から見つめ、スーパーモデルとツイード、ミニスカート、ゴールドチェーンが生み出す新しい女性像にも関わったカーリン

彼女の仕事をたどると、シャネルの洋服を今の自分らしく着るヒントが見えてきます

Carlyne Cerf de Dudzeeleとは?CHANELを自由に着るフランス人スタイリスト

カーリンは南フランスのサントロペで育ち、フランス版『ELLE』で約10年間仕事をした後、1985年にニューヨークへ移りました

その後、アメリカ版『VOGUE』でファッションエディターとして活動し、リチャード・アヴェドン、アーヴィング・ペン、スティーヴン・マイゼルをはじめとする写真家たちと仕事を重ねています

彼女が育った頃のサントロペでは、オートクチュールとジーンズやTシャツのような日常着が、ごく自然に同じ場所に存在していました

カーリン自身も、シックとは高価なブランドを並べることではなく、その人らしく洋服を組み合わせることだと語っています

ヴィンテージデニムにシャネルのバッグ、首元や腕にはたっぷりのアクセサリー

格式の違うものを大胆に混ぜながら、最後はひとりの女性の個性として完成させるのが、カーリンの変わらないスタイルです

VOGUEの歴史を変えた、オートクチュールとデニムのスタイリング

カーリンの名前を語るうえで欠かせないのが、1988年11月号のアメリカ版『VOGUE』です

アンナ・ウィンターが編集長に就任して初めて手がけた表紙で、モデルのミカエラ・ベルクは、クリスチャン・ラクロワのオートクチュールアイテムと色落ちしたGuessのジーンズを着用しました

撮影はピーター・リンドバーグ、スタイリングを担当したのがカーリンです

このオートクチュールアイテムはCHANELではありません。しかし、華麗なクチュールをデニムと合わせて現実の街へ連れ出す発想は、後にカーリンが見せるシャネルの着こなしとも美しく重なります

完璧に整えたドレス姿ではなく、風に髪をなびかせ、自然な表情で街に立つ女性。ラグジュアリーな洋服が急に生き生きとして見える瞬間でした

カーリンとカール・ラガーフェルドが形づくった1990年代のシャネル

『VOGUE』によれば、カーリンは1990年代、カール・ラガーフェルドがシャネルに新しいイメージを築くうえで重要な役割を担いました

当時のフィッティングやランウェイのリハーサルにも立ち会い、カールに意見を伝える友人であり、ときには仕事上のパートナーでもあったと紹介されています

ツイードのミニスカートとジャケット、何本も重ねたゴールドチェーン。それをナオミ・キャンベルやクラウディア・シファーらスーパーモデルが、圧倒的なエネルギーで着こなしました

シャネルの伝統的なツイードやチェーンはそのままに、若さ、スピード、ユーモアを吹き込む。1990年代のCHANELが今見ても新鮮なのは、洋服だけでなく、女性たちの表情や動きまで含めてスタイルが作られていたからでしょう

カーリン自身も、カールから贈られたクチュールジャケット、キルティングバッグ、コスチュームジュエリーを大切に所有し、スポーティーなパンツなどと自由に合わせてきました

2019年には、カールと親しかった女性たちをヴィンテージCHANELとともに撮影しています。クラウディア・シファー、アマンダ・ハーレック、エロディ・ブシェーズ、アマンダ・サンチェス、そしてカーリン自身

そこに写るシャネルは保存された過去ではなく、それぞれの女性の記憶と現在のスタイルの中で、今も生き続ける洋服でした

Instagramで見るカーリン流CHANEL|ツイード、デニム、ジュエリーの自由な世界

カーリンのInstagramには、シャネル、ヴィンテージ写真、スーパーモデル、デニム、レオパード、そして彼女独特の勢いある言葉が並びます

ファッションを難しく考えすぎず、好きなものを思いきり楽しむ。その熱量まで含めて、カーリンのスタイルです

カーリン流を普段のシャネル ジャケットに生かす4つの着こなし

CHANELツイードジャケットをデニムで軽やかに

まず取り入れやすいのは、端正なツイードジャケットとシンプルなデニムの組み合わせです

インナーや靴までフォーマルにそろえず、一か所に日常的なアイテムを入れると、ジャケットの美しい仕立てがかえって際立ちます

ゴールドチェーンやココマークを小さくまとめすぎない

カーリンのスタイリングでは、ジュエリーを目立たせないのではなく、装いのリズムとしてしっかり見せています

ココマークのボタンが美しいジャケットなら、それ自体をアクセサリーのひとつとして考えるのも素敵です。ネックレスやブレスレットを加える場合も、色味をゴールドまたはシルバーのどちらかへ寄せると全体をまとめやすくなります

スニーカーやTシャツでシャネルを日常へ

シャネルのジャケットは、特別な会食やセレモニーだけの洋服ではありません

無地のTシャツ、まっすぐなパンツ、シンプルなスニーカーと合わせれば、ツイードの質感を楽しみながら日常にも自然に取り入れられます

流行よりも、着る人の顔と個性を主役に

カーリンは、あらかじめ同じコーディネートを誰にでも当てはめるのではなく、目の前の女性から物語を作ると語っています

小柄な方なら短めのジャケットとすっきりしたボトム、華やかな色が似合う方ならピンクやレッドのツイード。自分の表情が明るく見える色やバランスを選ぶことが、何よりカーリンらしい着こなしにつながります

シャネルを丁寧に着ることと、かしこまって着ることは同じではありません

ツイードジャケットにデニム、ゴールドチェーンにスニーカー。好きなものを自由に組み合わせ、最後は自分らしく笑えること

カーリン・サーフ・ドゥ・ドゥゼールが見せてくれるのは、そんな生命力のあるCHANELスタイルです

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