重く見えないCHANEL ジャケットの着こなしの秘密【2007・07PF】なぜ1924年のバレエがシャネルに?

重く見えないCHANEL ジャケットの着こなしの秘密【2007・07PF】なぜ1924年のバレエがシャネルに?

重ねても、なぜか軽く見える。

CHANEL 2007年07PF「Paris–Monte-Carlo」は、1924年のバレエ《Le Train Bleu(青列車)》を、都会で着られるジャケットやドレスへ読み替えたメティエダール・コレクションです。バレエ、ロシア軍服、サテン、チュール、ジュエリーが重なっても、印象は軽やか。その秘密を、当時の舞台と職人技から見ていきます。

シャネル 07PF|なぜモンテカルロのオペラ座だった?

コレクションが発表されたのは、モナコ公国のオペラ・ド・モンテカルロ。会場はモンテカルロのカジノ内にある1878年創建の劇場で、当時は改修を終えたばかりでした。客席には、カロリーヌ公女と娘のシャルロット・カシラギら華やかな顔ぶれも!

しかも、この日は07PFのショーだけで終わりません。同日の夜、同じ劇場で、優れたダンサーや振付家をたたえる第4回ニジンスキー賞の授賞式が開催されました。賞の名は、バレエ・リュスを代表する伝説的なダンサー兼振付家、ヴァーツラフ・ニジンスキーに由来します。

ラガーフェルドは、授賞式の背景幕を構想し、男女のダンサーが着用するコルセットやジーンズなどの衣装もデザイン。バレエに着想を得た07PFをランウェイで発表した後、今度は実際のダンサーたちがラガーフェルドの衣装をまとって同じ劇場の舞台に立ったのです。CHANELのファッションとバレエが、ランウェイと舞台の両方で直接結びついた特別な一日でした。

CHANEL 2006–2007 Paris–Monte-Carlo Métiers d’Artのランウェイ全編。昼から夜へ移る構成と、服が動いたときの軽さをご覧ください。

《青列車》とは?1924年のバレエが07PFのシャネルへ

着想源は、セルゲイ・ディアギレフ率いるバレエ・リュスが1924年に初演した《Le Train Bleu(青列車)》です。ジャン・コクトーが台本、ブロニスラヴァ・ニジンスカが振付、ダリウス・ミヨーが音楽、ガブリエル・シャネルが衣装を担当。舞台美術はアンリ・ローラン、正面幕にはピカソの《海辺を走る二人の女》をもとにした図案が使われました。

題名の「青列車」は、パリやカレーとコート・ダジュールを結び、当時の上流階級を南仏へ運んだ豪華列車の名に由来します。作品が描いたのは、海辺で日光浴やスポーツを楽しむ1920年代のモダンな人々。07PFは昔の舞台衣装をそのまま復刻するのではなく、シャネル自身が参加した前衛バレエの空気を、現代の都市服へ引き戻したコレクションでした。

《青列車》の舞台映像です。投稿欄では上演団体・出演者・収録年を確認できないため、ここでは作品のスポーティーな動きと舞台の雰囲気を見る参考映像として掲載しています。

ピカソとシャネルの協働は《青列車》だけではありません。ティッセン=ボルネミッサ美術館の公式解説によると、二人はコクトーを介し、《アンティゴネー》(1922年)と《青列車》(1924年)の二度、同じ舞台制作に参加しました。美術、ファッション、音楽、バレエが一つに交わった時代背景も、07PFを面白くする鍵です。

ピカソとシャネルがコクトーを介して協働した《アンティゴネー》と《青列車》を紹介する短い映像です。本文の事実関係は、ティッセン=ボルネミッサ美術館の公式資料で確認しています。

昼・カクテル・夜の3幕|メティエダールの技が服になるまで

ショーは「昼」「カクテル」「夜」の3幕構成。ロマンティックなバレエの気配とロシア軍服を思わせる要素を、ジャケット、スーツ、ワンピース、イブニングへ段階的に展開しました。

Maison Desruesによる複雑なコスチュームジュエリー、色石を配した装飾的なエナメルバッグ、サテン、大量のチュール、大きなリボンを付けた繊細なサテンシューズ。専門工房の技が一着の中で響き合います。

07PFで注目したいのは、装飾の量より「重なり方」

ラガーフェルドが中心に置いたのは、重ねながら重さを感じさせないこと。透けるチュール、光を拾うジュエリー、柔らかな布が層になっても、シルエットは軽い。遠目には端正で、近くで見るほど刺繍、ボタン、織りの驚きが見えてきます。

重く見えないCHANELジャケットの着こなし|主役は一着だけ

07PFのテイストを今の装いへ取り入れるなら、全身を舞台のように仕上げる必要はありません。装飾や織りに存在感のあるツイードジャケットを一着選び、インナーやボトムをシンプルにする。サテンやジュエリーの光を一点だけ添える。それだけで、コレクションらしい「軽い重なり」が生まれます。

遠目にはすっきり、近くで見ると人とは少し違う。メティエダールの職人技をたっぷり味わいながら、さりげなく着られることが07PFの魅力です。

CHANEL 07PF black blue metallic wool cashmere tweed jacket worn by Lily

LILY’S EVERYDAY CHANEL

季節をまたいで、何度でも着たくなる07PF

スタッフLilyも、年がら年中つい手が伸びるこちらのジャケット!ブラックから濃紺へ揺れるメタリックツイードと立体的な縁取りがありながら、白いトップスやデニムなど、いつもの服に羽織るだけですっきりまとまります。

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CHANEL 2007 07PF|Paris–Monte-Carlo Métiers d’Art

07PFのジャケット、スーツ、ワンピースなど、現在ご覧いただける作品を年代コレクションにまとめています。

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参考資料:CHANEL公式のMaisons d’art解説、British Vogueの当時記事、ティッセン=ボルネミッサ美術館、パリ国立オペラ、Los Angeles Timesのニジンスキー賞記事を照合しています。

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