シャネル CHANEL 2015 15PF|Paris-Salzburg メティエダールのジャケットと職人技

シャネル CHANEL 2015 15PF|Paris-Salzburg メティエダールのジャケットと職人技

当店で「15PF」と表記している、シャネルの2015年プレフォール。CHANEL公式では「Paris-Salzburg 2014/15 Métiers d’Art」として発表された、カール・ラガーフェルド期のメティエダール・コレクションです。

舞台はオーストリア・ザルツブルクのレオポルツクロン城。チロル地方の伝統やオーストリアの歴史を、CHANELらしいツイード、ジャケット、刺繍、フェザー、ジュエリーへと置き換えた15PFは、遠目の美しさだけでなく、近くで細部を見るほど職人技が伝わるコレクションです。

シャネル 15PF|ザルツブルクの城で発表されたメティエダール

2014年12月2日、CHANELの2014/15 Paris-Salzburg Métiers d’Artは、ザルツブルクのレオポルツクロン城で発表されました。会場には大理石の暖炉、お菓子が積まれたテーブル、18世紀の椅子やソファーが並び、通常のランウェイとは違う、歴史ある館のサロンを巡るような世界が作られました。

服にも、その土地の空気が自然に入り込んでいます。ローデン、ツイード、フェルト、レザー、カシミア、サテン、シフォン、タフタ、レース。素朴さのある素材と、メティエダールらしい豪華な装飾が同じコレクションの中に共存しています。

CHANEL|Paris-Salzburg 2014/15 Métiers d’art Show

Reincarnation|シャネルジャケットとオーストリアを結ぶ物語

ショーに先立って発表された短編映画「Reincarnation」は、カール・ラガーフェルドが監督し、カーラ・デルヴィーニュとファレル・ウィリアムスが出演した作品です。CHANELが伝えてきた、ガブリエル・シャネルがオーストリア滞在中にホテルマンの制服から着想を得たというジャケットの物語を、ラガーフェルドが映像として再構成しました。

そのため15PFに登場する制服風のブレードや端正なジャケットは、単なる「チロル風」の装飾ではありません。CHANEL自身のジャケットの物語とザルツブルクを結び直すことが、このコレクションの大きなテーマになっています。

CHANEL|Reincarnation — a film by Karl Lagerfeld

CHANEL 15PFのツイード・刺繍・チロルのデザイン

15PFでは、アイボリーのツイードジャケット、ミリタリー調のラインを入れたパンツ、レーダーホーゼンを思わせるボトム、蝶の刺繍、フェザー、ビーズ刺繍のドレスなど、オーストリアやチロル地方を思わせるモチーフが次々に登場します。

面白いのは、それらを民族衣装としてそのまま再現していないこと。ジャケットの端正な輪郭、シャネルらしいツイード、ブレードやボタンに落とし込み、華やかな装飾を日常のワードローブへ近づけています。遠目にはすっきり見えるのに、近くで見るとディテールが驚くほど細かい。15PFらしさは、この二面性にあります。

CHANEL|Details of the Paris-Salzburg Métiers d’Art Collection

メティエダールの職人技|545時間、25,000個のスパンコール

メティエダールの魅力は、デザインだけではなく、それを実物の服へ変える専門職人の手仕事にあります。刺繍、フェザー、花飾り、ボタン、ジュエリー、帽子など、それぞれの分野で培われた技術が一着の中に重なります。

15PFの手仕事を数字で見る

Vogue Japanのスージー・メンケスによる取材では、蝶のモチーフを配したトップに、刺繍工房Lesageが545時間を費やし、フェザー刺繍と25,000個のスパンコールを施したと紹介されています。数字にすると、写真だけでは見えにくいメティエダールの密度がよく分かります。

細いブレード、ビーズ、フェザー、立体的な刺繍。ひとつひとつは小さなディテールでも、それらが重なることで、ジャケットやワンピースに独特の奥行きが生まれます。15PFは「職人技の結集」という言葉を、実物から実感しやすいコレクションです。

CHANEL|Behind the scenes of the Métiers d’Art 2014/15 Paris-Salzburg Show

CHANEL|Savoir-faire of the Métiers d’Art 2014/15 Paris-Salzburg Collection

シャネル 15PF|人とは少し違うおしゃれを、さりげなく

15PFは、メティエダールの技術を存分に見せながら、実際の装いへ取り入れやすい作品が多いのも魅力です。ジャケットやコートなら、シンプルなパンツやスカートに合わせるだけでも、ブレード、刺繍、ボタン、素材の表情が自然なアクセントになります。

全身を華やかに作り込まなくても、一着に存在感がある。いかにも目立たせるのではなく、近くで見たときに「普通とは少し違う」と分かる。そのさりげなさは、15PFのコレクションテイストを今のワードローブへ取り入れる面白さです。

メティエダールの職人技の結集をたっぷりと実感しながら、人とは少し違ったおしゃれを自然に楽しみたい方には、ぜひ細部まで見比べていただきたいコレクションです。

CHANEL 15PF|Paris-Salzburg Métiers d’Art

刺繍、ブレード、ボタン、ツイードの表情まで。15PFのジャケット、コート、ワンピースなどをまとめてご覧いただけます。

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