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CHANELのランウェイやキャンペーンを見ていると、何度も目に入るモデルがいます。ロリ・バイア(Loli Bahia)です。
クラシックなツイードジャケットからカメリア、メティエダール、クルーズ、100年前のドレスまで。シャネルとの仕事をたどると、同じメゾンの服が彼女によって驚くほど違う表情を見せます。
ロリ・バイアはフランス・リヨン出身。父はスペイン生まれ、母はアルジェリア生まれで、幼い頃からフランス、アルジェリア、アンダルシアを行き来して育ちました。
もともと打ち込んでいたのは音楽で、リヨンのコンセルヴァトワールではトロンボーンを学んでいます。友人に付き添って参加したモデルコンテスト「EGERI TOUR」で2018年に優勝し、WOMENと契約。2020年のLouis Vuitton秋冬ショーを皮切りに、CHANELをはじめ多くのメゾンのランウェイへ活動を広げました。
ロリとCHANELの関係をはっきり追える初期の仕事が、2022 メティエダール(22PF)です。パリの職人拠点le19Mで発表されたコレクションで、LesageやMontexの刺繍、Maison Michelの帽子など、メゾンを支える職人技を現代的に見せました。
キャンペーンではAdit Priscilla、Mica Argañarazとともにロリが起用され、撮影はMikael Jansson。ランウェイだけではなく、CHANELのメティエダールを伝える顔のひとりにも選ばれています。
翌2023 メティエダール(23PF)はセネガルのダカールで発表され、ロリもランウェイに参加しました。2023年6月には同コレクションのレプリカショーが東京で行われ、そこにもロリの名前が確認できます。
東京滞在中の本人Instagramには、ショーとは違う街での表情もたっぷり残っています。
2023 秋冬(23A)は、カメリアがコレクションの中心に置かれたシーズンです。会場には巨大な白いカメリアが現れ、花はツイード、刺繍、ボタン、バッグまで繰り返し登場。ヴィルジニー・ヴィアールはカメリアを、メゾンの永続的なコードとして改めて前面に出しました。
そのファーストルックを歩いたのがロリ・バイア。Vogue RunwayでもLook 1のモデルとして確認でき、同シーズンのキャンペーンにも起用されました。


ココ・シャネルの時代から、カメリアは服、帽子、ジュエリーへ繰り返し使われてきた、メゾンを象徴する大切なコードのひとつです。23Aではその存在感がいっそう前に出て、ロリ・バイアが歩いたファーストルックにも、CHANELらしさが濃く表れています。
2024年春夏オートクチュールでは、ロリがフィナーレのブライダルルックを担当しました。花の刺繍を重ねたミニドレスにチュールの袖と長いトレーン。ボタンとバレエを着想源にしたコレクションを締めくくっています。
そして同年のVogue World: Parisでは、さらに100年前へ。ロリは1924年夏のCHANELドレスを再制作したゴールドのロングドレスでショーをオープンしました。Vogueが1924年に掲載したオリジナルと並べると、細長いシルエットや低い背中、装飾の華やかさが、現代のランウェイへどう受け継がれたのかがよく分かります。
Photographed by Edward Steichen, Vogue, October 15, 1924
Loli Bahia at Vogue World: Paris 2024. Photo: F.Fior - I.Montag - A.Lucioni - D.Oberrauch - S.Dragone / Gorunway.com
マルセイユで発表された2025 クルーズ(25C)では、ロリがキャンペーンの顔に。撮影はJamie Hawkesworthです。海と街の光の中で、ツイードジャケットにはスウェットのフード、スナップボタン、シェル刺繍などスポーティな要素が加わり、CHANELのクラシックが軽快に見えます。
Loli Bahia embraces flared silhouettes in Chanel’s cruise 2025 campaign. Photo: Jamie Hawkesworth / Chanel
2026年春夏、マチュー・ブレイジーが手がけるCHANELのキャンペーンにもロリ・バイアが登場しています。撮影はAlec Soth。
ヴィルジニー・ヴィアール期のメティエダールやランウェイから、デザイナーが変わった後のCHANELまで。何年も異なるコレクションで起用が続いているところに、ロリのモデルとしての幅がよく表れています。
ランウェイとは少し違う本人の表情や、ファッション以外の空気感もInstagramから伝わってきます。
東京にも遊びに来てくれました。投稿を見ていると、街での時間もとても気に入ってくれたみたい。CHANELのショーだけでなく、日本で過ごした時間をたくさん残してくれているのがうれしいですね。
同じシャネルのツイードジャケットでも、カメリアを重ねればロマンティックに、クルーズではスポーティに。1924年のドレスまで自然に着こなすロリ・バイアを追うと、CHANELのコードが時代ごとに新しい表情を持つことがよく見えてきます。
参考資料
Vogue Italia|Loli Bahia インタビュー
The Impression|CHANEL 2022 メティエダール キャンペーン
Models.com|CHANEL 2023 メティエダール 東京ショー
British Vogue|CHANEL 2023 秋冬とカメリア
Vogue France|CHANEL 2024春夏オートクチュール
Vogue|1924年CHANELドレスとVogue World: Paris
Vogue|Loli Bahia at Vogue World: Paris
Re-Edition|CHANEL 2025 クルーズ キャンペーン
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