シャネル ノーカラージャケット|襟をなくして完成したCHANELツイードの名品

シャネル ノーカラージャケット|襟をなくして完成したCHANELツイードの名品

シャネルの洋服を16年扱っていると、ノーカラージャケットを見た瞬間に「これはきっと人気が出る」と感じることがあります。

襟はない。形も驚くほどシンプル。それなのに、羽織った姿はひと目でCHANEL。そんな1着は、どんなルーツを持って現代に引き継がれてきたのか、少し深ぼってみましょう

シャネル ノーカラージャケットは、最初からノーカラーではなかった

今の完成された姿を見ると、シャネルジャケットは最初から襟なしだったように思えます。ところが、1950年代のCHANELスーツには、まだ襟もポケットフラップも残っていました。

その後、ガブリエル・シャネルは襟とポケットフラップを外します。襟の装飾が消れると、ツイード、ブレード、ボタンそのものがジャケットの輪郭になる。引き算を重ねた先に、私たちが思い浮かべる「シャネルらしい一着」が現れたのです。

足したから名品になったのではなく、
襟をなくしたことで完成した。

1954年、CHANELが選んだのは「細いウエスト」より動けるジャケット

1950年代は、細く絞ったウエストと大きく広がるスカートが注目された時代でした。戦時中に社会で活動した女性たちに、その服は現代的ではない。そう考えたシャネルが1954年の復帰で再び持ち出したのは、体を締めつける服ではなく、カーディガンのように動けるジャケットでした。

復帰直後の評価は厳しかったものの、3シーズンほどで再び支持を集め、ツイードスーツは新しい世代のステータスシンボルになります。ノーカラーの軽やかさは、見た目のためだけではなく、女性が自由に動ける服を選んだ結果でもありました。

CHANEL公式YouTube「The jacket – Inside CHANEL」

裾のゴールドチェーンは飾りではない|CHANELジャケットの秘密

シャネルジャケットの裾をそっと返すと、内側に金色のチェーンが縫い込まれた作品があります。あれは見せるための飾りではありません。

初期には一般的なドレス用の重りが使われていましたが、後にゴールドカラーのチェーンへ変更されました。目的は、ジャケットが肩からきれいに落ちるよう裾を安定させること。首元は軽く、裾では静かに形を整える。ノーカラーのシンプルな線を、見えない重さが支えています。

CHANELジャケットの裾チェーンをもっと詳しく

内側に隠れたチェーンの役割と、年代ごとの作品を別記事でご紹介しています。

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裏地とブラウスが同じ柄|シャネルスーツの贅沢

1920年代の初期のシャネルスーツでは、ウールジャージーのジャケットをカーディガンのように仕立て、ブラウスとジャケットの裏地を同じ生地でそろえることが多くありました。

ジャケットを脱いでも、内側から現れた色柄がそのままブラウスへ続く。表にロゴを並べなくても、着る人だけが知っているところまで美しい。16年たくさんのCHANELを見てきても、こういう仕立てに出会うと、やはり心が動きます。

ローレン・バコールは、ピンクのツイードスーツを空港へ

ローレン・バコールが注文した1959年春夏のローズピンクのスーツは、裏地とブラウスが同じ生地。裾にはチェーンも縫い込まれていました。

彼女がこのスーツを選んだのは、華やかなプレミアでも授賞式でもありません。2人の子どもとビアリッツへ向かうロンドン空港です。しかも、その2か月前にも同じ空港で似たチェックのCHANELツイードスーツを着用。撮影のための一着ではなく、家族旅行にも迷わず連れて行く服だったのです。

デニムとメンズTシャツで着る|CHANELノーカラージャケットの今

「シャネルジャケットは、スカートとセットで着なければ」。そんな決まりはありません。

2001年からCHANELでフィットモデルを務めるアマンダ・サンチェスは、ジャケットが何千通りにも着られる姿を見てきました。本人の普段着は、プリントレギンスやメンズTシャツとの組み合わせ。きちんとしたスーツのジャケットが、デニムの上では急にこなれて見えます。

私たちがノーカラーを好きなのも、ここです。特別な場所へ連れて行ってくれるのに、いつもの白Tシャツやデニムを置いていかない。ワードローブに迎えた日から、想像以上に出番が増える一着です。

アマンダ・サンチェスのCHANELスタイル

長年CHANELの服を着続けてきたアマンダの、気取らないジャケットスタイルをまとめています。

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Instagramに登場したCHANEL 21Pツイード

ブルー、ピンク、パープルが重なるルサージュツイード。同じジャケットを商品ページでご覧いただけます。

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カール・ラガーフェルドが広げたシャネル ノーカラージャケット

カール・ラガーフェルドは、完成されたスーツをガラスケースへ閉じ込めませんでした。短いボレロジャケットにしたり、マキシ丈へ伸ばしたり、ツイードから光を含むシフォンまで素材を変えたり。1991年秋には、クラシックなスーツのシルエットをデニムで作り替えています。

だからヴィンテージCHANELのノーカラーは、同じ形が延々と続く定番ではありません。短丈、ロング、フリンジ、金ボタン、シルバーボタン。年代ごとに、ちゃんと別の表情があります。

一着で終わるつもりだったのに、次はまったく違うノーカラーが気になってくる。長く扱っている私たちにも、その気持ちはよく分かります。

襟がないから、ドレスアップにも日常にも寄せられる。シンプルだから、ツイードと仕立ての良さが隠れない。シャネルのノーカラージャケットは、「大切にしまっておく名品」ではなく、何度も羽織るほど好きになる名品です。

今、気になるCHANELノーカラージャケット8選

淡い色、鮮やかな赤、チェック、頼れるブラック。同じノーカラーでも、選ぶ一着で印象は大きく変わります。気になる画像から商品ページをご覧ください。

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