20年以上前のコレクションなのに、「04Sのようなジャケットを探してほしい」と今もリクエストをいただきます。当店で2004年春夏(04S)は、2026年の現在も人気がとても高いシーズンです。
カール・ラガーフェルドが見せたのは、シャネルらしい美しいラインと気品を保ちながら、力を抜いて着られる服。淡い色や小さなフリルの可愛らしさもあり、何より日常へ取り入れやすい。羽織るだけで装いが整う、04Sならではの魅力です。
シャネル 04Sのサマーツイード|20年以上たっても人気が続く理由
04Sのジャケットは、きちんとした輪郭があるのに、着る人を堅く見せません。肩から裾へ流れるラインは端正。ところが縁には柔らかなフリルやフリンジが揺れ、淡いピンク、アイボリー、黒と白が表情を軽くします。
華やかでも、特別な日だけの服に見えないところも大きな魅力です。シンプルなパンツやワンピースに一枚重ねるだけで、気品と可愛らしさが自然に加わる。04Sを探すリクエストが今も多いのは、このバランスの良さを一着で楽しめるからだと感じます。
CHANEL 2004年春夏|「甘いけれど、淑女すぎない」カールの美学
ショーの前、カールは04Sを「CHANELを控えめに着る。甘いけれど、淑女すぎない」と表現しました。その言葉どおり、パステルピンクのチェックツイード、細かなプリントのジョーゼットドレス、レースのスカートが並んでも、全体は軽快です。
可愛らしさを幼さへ傾けず、黒やカーキ、すっきりしたシルエットで引き締める。フェミニンな服を日常へ戻す、カールらしい加減が随所に見えます。
カーディガンのように軽いCHANELツイードジャケット、その内側は本格派
代表的なツイードジャケットは、カーディガンのように軽やか。クラシックなブレードの代わりに、切りっぱなしのシフォンフリルが縁を飾り、動くたびに輪郭を柔らかく見せます。
一方で、作りはとても手が込んでいます。フランスの古い手編みベッドカバーから着想した細かなクロシェ、短いドレスに重ねるスカラップ縁のカーディガンコート、クロシェのビキニまで、軽く見える服ほど技術が惜しみなく使われました。
カーキのトレンチコートには、縫い目に沿ってツイードを細く差し込むという意外な仕立ても。ツイードはルサージュがこのために織ったもので、ひと目でシャネルと分かる表情を、過剰な装飾ではなく素材と構造でつくっています。
見た目の軽さと、細部の高いクオリティ。その両方があるから、04Sは可愛いだけで終わりません。
シャネル 04Sのレコードとカセット|音楽をアクセサリーに
白いボードウォークをモデルが歩き、サウンドトラックにはBlondie。黒いミニレコードにCCマークを添えたロングネックレス、カセットレコーダーを思わせるバッグ、黒と白のニットに咲くカメリア。音楽のモチーフが、端正な服へ若々しいリズムを加えます。
クラシックを崩してしまうのではなく、アクセサリーで少しだけ笑わせる。その遊びがあることで、ツイードやレースもぐっと親しみやすく見えてきます。
CHANEL Spring Summer 2004 Paris — Canale Moda
シャネル 04Sジャケットを日常へ|気品と可愛らしさの着こなし
04Sには、ジャケット、トレンチ、カーディガンコート、ワンピース、スカート、ニットまで、暮らしの場面をつなげやすい服がそろっています。ジャケットを白や黒のパンツに合わせる。淡いツイードをデニムで軽くする。ワンピースへカーディガン感覚で羽織る。どれも無理なく取り入れられる組み合わせです。
美しいラインが装いを整え、色やフリルが表情を明るくする。それでいて、着る場面を限定しすぎません。カールの気品、可愛らしさ、遊び心、そして日常性が一つにつながった04S。今も多くのリクエストをいただく理由が、服を見ればすっと伝わってくるコレクションです。
04Sコレクションのジャケット・コート・スーツ・ワンピース・セーターなど
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