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華やかなファッションショーの少し手前で、CHANEL シャネルの洋服が完成するまで何度も袖を通すモデルがいます。
アトリエモデル、またはフィッティングモデル。ジャケットの丈、肩の位置、袖の動き。服が美しく見えるかを、身体で確かめる仕事です。
CHANELで20年以上、その役割を担ってきたのがアマンダ・サンチェス。服を見せる人であり、服を完成へ近づける人でもあります。
ランウェイモデルが着るのは、完成した服。
アトリエモデルが着るのは、その一歩手前。まだピンが打たれ、線が変わり続ける服です。
アマンダ・サンチェスは、CHANELのアトリエで長年フィッティングモデルを務めてきました。ランウェイモデルより少し現実的な体格で、実際に服を着たときのバランスや動きを確認する役割を担います。
服を「見せる」だけではなく、服を「完成させる」ためのモデル。
アマンダは、CHANELのジャケットやワンピースが立体になっていく過程を、身体で支えてきた人です。
仮縫いのジャケットを着たとき、肩がわずかに浮いていないか。袖を動かしたとき、背中が引っぱられないか。ワンピースやスカートの丈、裾の揺れ方は美しいか。
平らな作業台では見えないことが、身体に着せた瞬間に現れます。
立つ。歩く。腕を動かす。職人たちはそのたびにピンを打ち直し、数ミリ単位で線を整えます。
端正なのに、動きにくく見えない。シャネルのツイードジャケットらしいバランスは、こうして作られます。
アトリエにとって、同じモデルが長年フィッティングを続けることには大きな意味があります。
「いつもの肩の位置」「いつもの歩き方」「いつもの姿勢」を知っているからこそ、新しいジャケットの肩が強すぎる、袖がわずかに動かしにくい、といった違いを比べやすくなります。
モデルとアトリエの間に積み重なった経験そのものが、CHANELの洋服を整える一つの基準になるのでしょう。
アトリエの外では、ぐっと自由。
レッドのCHANELカーディガンにデニム。そして、日々のピラティス。
カンボン通りの螺旋階段でも、アマンダはアマンダ。説明はいりません。
お茶目。自由。でも、フィッティングが始まれば、服の線を正確に見せるプロの顔へ戻ります。
アマンダはフィッティングモデルとして裏側を支えるだけでなく、シーズンによってはCHANELのコレクションや映像にも姿を見せています。
20年以上にわたり、服の基準となる体型と姿勢を維持しながら同じ仕事を担う。それは華やかさだけでは続かない職業です。
CHANELのさまざまな場面にアマンダが現れるのは、単にモデルとして知られているからではありません。アトリエの服作りを理解し、長い時間をメゾンと共有してきたからでしょう。
パリでは、こんな姿さえ絵になります。
自由さと正確さ。その落差こそ、アマンダの魅力です。
アマンダは2004年春夏 04S、2004年秋冬 04AのCHANELコレクションにも登場しました。当店でも、この時代のジャケットやワンピースは今なお人気があります。
写真では分からないのが、動いたときの服。ここからは映像で。
アマンダがCHANELの洋服を着る姿を映像でご覧いただけます。静止画とは違い、立ったときのバランスや、服を着て動いたときの見え方がよく分かります。
THE SAME CHANEL JACKET
ブルー、ピンク、パープルが重なるルサージュツイード。動画の最後でアマンダが着用しているものと同じジャケットを、商品ページで詳しくご覧いただけます。
同じツイードジャケットの詳細を見るこちらは人物紹介ではなく、2020/21年秋冬オートクチュールが完成するまでの記録。
着せる。直す。離れて見る。もう一度、手を入れる。完成したショーだけでは見えないCHANELの服作りです。
シャネルのジャケットが美しく見えるのは、デザイン画が優れているからだけではありません。
実際の身体に着せ、動かし、何度も直す。その途中に、アマンダの仕事があります。
完成したシャネルのジャケットやワンピースを見るとき、私たちは色やツイード、ボタン、シルエットに目を向けます。
けれど、その形にたどり着くまでには、アトリエで何度も服を着た人がいます。
アマンダ・サンチェスは、ランウェイの手前にある静かな工程を、長年支えてきたモデルです。
お茶目で自由な私服姿。そして、フィッティングが始まると、CHANELの服を完成へ導くプロの顔。
アマンダを通して見ると、シャネルの洋服は、完成品としてだけでなく、人の身体と職人の手によって少しずつ作られていくものだと分かります。
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